イチジクの毒性

 

 

イチジク 桝井ドーフィン

秋になると美味しい実をならせるイチジク。
そんなイチジクは毒性とも言える成分を持っているようです。

 

イチジク 実

イチジクの実にはペクチンという成分があり。
食品添加物としてジャムなどの加工に利用されるので
毒性というほどのものではありません

ジャムなどの加工に利用される。人間はペクチン消化酵素をもたないので消化吸収できないが、腸内細菌は分解するものが知られている。水溶性の食物繊維の一つであり、血中コレステロール濃度を低下させる作用をもったペクチンがある。

出典 - 日本大百科全書(ニッポニカ) ペクチン

 

ペクチンはとりすぎると下痢のような症状になってしまうので
イチジクを多く食べる時は十分に水分を摂取するほうがいいです。

イチジクの実を生だと一日5個ぐらいで、多く食べ過ぎないと
大丈夫なよう。

 

イチジク 毒性 実の皮

 

イチジクの実の皮にはフィシンという成分が入っています。

フィシンは人によっては口腔アレルギー症候群を引き起こすようです。
重い症状がでることもあるので注意が必要、皮はあまり
食べないほうがいいですね。

症状
症状は、原因食物の摂取直後から始まる、口腔内のかゆみ、違和感、刺激感であり、時間とともに自然に消失する。症状が口腔以外に広がることはないとはいえないが、その場合は「口腔アレルギー症候群」から通常の「食物アレルギー」へ、ときに診断名を変更する必要があるといえる。

出典 - 日本大百科全書(ニッポニカ) 口腔アレルギー症候群

 

どうやらこのフィシンという成分、犬に与えると中毒症状
なるとのこと。
犬を飼っている方は注意しておいたほうがいいでしょう。

 

イチジク 毒性 葉

 

意外なことにイチジクは葉には毒性ともいわれる成分
含まれているようです。

 

世界大百科事典 第2版 有毒植物より

…花の美しいプリムラ類による皮膚炎の原因は,葉の腺毛に含まれるプリミンによるものである。パパイア,パイナップル,イチジクなどの乳液によるかぶれは,タンパク質分解酵素による刺激のためとされている。変わった作用物質としては,クワ科のイチジク,セリ科のセロリ,パセリ,ミカン科のライム,レモン,ベルガモットなどに含まれるフロクマリン類が過食や皮膚への付着によって紫外線に対する光過敏症をおこし,火傷のような症状を示すことが知られている。

 

出典 – 世界大百科事典 第2版

 

イチジクに含まれるフロクマリン類が過食や皮膚への
付着によって、症状がでることもあるとのこと。
乳液も皮膚に付着すると、あまりよくないようです。

 

毒性となるイチジクに含まれるフロクマリン類というのは
どのような成分かというと 

フロクマリン【furocoumarin】

さまざまな植物に含まれる有機化合物の一。多く毒性があり、昆虫などに対する防御物質と考えられる。異性体の一であるソラレンは、光毒性をもつことで知られる。化学式C11H6O3 フラノクマリン。

出典 – デジタル大辞泉

 

昆虫などに対する防御物質であり多く毒性があり、と書かれています。
イチジクは、一部の害虫を除き強いのはたしかです。

 

イチジクのフロクマリンが人間にどのような影響があるのか気になる方も多いはず。

 

HPの質疑応答をみると以下のように症状が記載されています。
イチジクの葉は、光毒性反応を起こすことはあるか?という質問です。

以下が報告例

 

  • 葉を煎じたものを日焼けローションとして塗布した2名 (25歳男性、36歳女性、イタリア) が日光に3~8時間暴露後、やけど、水疱が生じて医療機関を受診、加療により回復した。

  • 3歳と6ヶ月の姉妹が、あせもに効果があるとのことで、自宅の庭でイチジクの葉40枚の煮汁を入れたプラスチックプールで真夏の炎天下に水浴びをした。翌日に妹の顔に色素沈着を伴う紅斑、体幹四肢にⅡ度熱傷に相当する強い紅斑とびらんを広範に認め、輸液管理とドレッシングにて加療した。また、水浴びを見ていた母親(27歳)の下肢にもプールの水がかかり、線状に色素沈着を伴う紅斑を認めた。

出典 – https://www.fpa.or.jp/

イチジクの葉をあまり知識もなく使うと危ないよう。

 

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